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1周年、3周年、5周年……100周年へ。周年記念ロゴ作成の前に知っておきたい基本事項

デザイン | ロゴ

「周年記念」という言葉はご存知かと思いますが、まだ企業として迎えたことがない、記念企画を行ったことがないという方は意外と多いのではないでしょうか。
帝国データバンクが発表した2017年「周年記念企業」実態調査によると、2017年に節目の年(10年、50年、100年など)を迎える周年記念企業は、全国に14万5103社あり、100周年企業は、1011社もあることがわかりました。その中には創業300周年企業が22社、400年が1社、最長で550年が1社含まれているというから凄いですね。
とはいえ、周年記念は何年経たないとできないというものではなく、企業やブランドのアニバーサリーを記念して自由に行えます。身近なのは1周年や3周年、5周年ですが、中にはちょっと中途半端ですが、2周年を記念して企画を行うこともありますので、行う側の意図次第といったところでしょうか。
今回はこの企業の周年記念時に作成する「周年記念ロゴデザイン」についてのお話です。

100周年記念ロゴの中に見る、積み重ねた歴史のおごそかさ

まずは2017年に100周年という大きな節目を迎える一流企業の周年記念ロゴと周年記念企画について見てみましょう。
100周年なんて、どんな派手な企画をするんだろう!?と思っていましたが、まだ執筆時期が1月の始めということもあるかもしれませんが、有名企業でも、意外と小ぢんまりとしているところも多いようです。周年記念も100回目となると、やり飽きた?なんてことはないでしょうが、“こなれている”ということは確実にあるようです。
ロゴに目を向けると、1周年や3周年がどちらかというと華やかで派手派手しいイメージのものが多い中、100周年はその歴史の重みを背負ってなのでしょうか、どちらかというと落ち着きや優雅さ、重厚さなどを重視したデザインが多いのも特徴と言えるでしょう。

Nikon 100周年記念サイト

http://www.nikon.co.jp/100th/

nikon

1917年に「日本光学工業株式会社」としてスタートし、1世紀に渡る時間を光の研究に費やしてきた企業の歴史、偉業、価値を、宇宙で活躍するカメラの開発に至った2017年から遡って魅せるスペシャルムービーが圧巻です。Nikonを単なるカメラメーカーだと思っている人の認識を変えるだけの力がみなぎっていますね。

100周年記念ロゴについてはプレスリリースにて、社内デザイン部門で制作されたことが発表されていますが、そこに込められた意図などの詳細は語られていません。「th」の部分にあしらわれた光の輪のようなデザインは「光学」と関係があるのかもしれません。ロゴデザイン全体は、動画のイメージともリンクする機能美にあふれた洗練された印象です。

 

nikon2

 

横浜ゴム 100周年記念キャンペーンサイト

http://www.y-yokohama.com/product/tire/campaign100th/

yokohama

タイヤを筆頭に、あらゆる分野のゴム製品メーカーとして名を馳せる横浜ゴムでは、100周年記念キャンペーンとして、同じく2017年に100周年を迎える日本の企業の豪華製品が当たるオープン懸賞を行っています。ちなみに第1弾の特賞はNikonのカメラです。

100周年記念ロゴについては、プレスリリースの中で以下のようにロゴデザインコンセプトを説明しています。

100周年記念ロゴマークはYOKOHAMAのアイデンティティでもある「5本の赤いライン」をモチーフに、100周年のさらに先の未来に向けて力強く進んでいく情熱を表現した。また、100の「00」の重なりは、お客様に必要とされるタイヤ・ゴムメーカーであり続けるために皆様とともに次の100年を作り上げる姿勢を表現している。

 

yokohama2

 

北洋銀行 コーポレートサイト

http://www.hokuyobank.co.jp/

hokuyo

北海道の地銀、北洋銀行では、100周年記念ロゴとスローガンを発表し、毎年、年に2回行ってきた「北洋銀行 presents クラシックコンサート」を 100 周年事業期間 (2017年 1 月~2018年 3 月)に道内各地で 6 回開催する予定を発表しています。
「~北海道の明日 あ し た とともに~」というスローガンは、「 北海道とともに歩み続けてきた 100 年間。これからも、北海道とともに明日へ向かって歩み続けていくという想いを込めたスローガンです。」と説明しています。
また北海道の形をデザインに用いた地銀らしい100周年記念ロゴデザインについては、以下のように説明しています。

北海道に暮らす人々とのふれ合いや融合をイメージしております。100 の「00」のセンターに デフォルメした北海道をデザインし、北海道をやさしく包み込んだマークです。 

hokuyo2

 

関係者との一体感を強め、周年記念企画を盛り上げるロゴ作成

企業が会社やブランドの創立を記念して行う周年記念企画には様々なものがありますが、その意図は、従業員や会社に関わってくれているステークルダーに対して、企業理念や将来へのヴィジョンを共有し、改めて自社の価値や存在感を示し、その関係性において絆を深めるためと言っていいでしょう。
そして、周年記念企画における周年記念ロゴの作成は、スローガンの作成と並んで、企画の方向性を具体化し、世間に最初にアピールする“旗振り役”。極めて大切な存在なのです。

その方法もいくつかあって、自社や外部のデザイナーが作成する場合もあれば、公募される場合もあります。さらには、公募されたものの選考を公募で選ぶパターンもあります。
いずれも制作の過程から従業員や関係者、ファンなど様々な人を巻き込んでいくことで、一体感や愛着感を育み、周年記念企画全体を盛り上げていくのに効果的です。

また、ロゴデザインの公募には企画を盛り上げる目的のほかに、制作費用を安く抑えるというメリットもあります。賞金や賞品の設定にもよりますが、下記の2つの例のように、高額賞金で盛り上げることも、ただ同様で募集することも実際には可能です。
また、公募とは違いますが、クラウドサービスなどを使って、非常に安い費用で多数の登録デザイナーからの作品をコンペで募集することもできます。実例で見てみましょう。

オールナイトニッポン50周年記念ロゴ 一般公募ページ

http://www.allnightnippon.com/50th/20161110-772/

all-knaight

ニッポン放送の深夜の人気番組「オールナイトニッポン」の50周年を記念したロゴの公募が2016年11月10日~12月15日の約1カ月間行われました。プロアマ問わず、一人で何点でも応募できるというラフなスタイルで、賞金50万円をかけて公募されました。2017年1月段階ではすでに募集は終了し、選考中。2月に発表される予定です。

ニコニコ超会議2017 ロゴマークデザイン募集ページ

http://info.nicovideo.jp/chokaigi2017_logo/

niconico

こちらは周年記念ロゴとはちょっと意味合いが違いますが、2012年から毎年開催され、2017年で5回目を迎えるニコニコユーザー向けの一大イベントのロゴマーク募集のページです。
応募は、データを投稿しタグをロックすると完了、となんともニコニコらしい方法。なんといっても驚きなのは、選考に選ばれた際の賞品が2日間のイベントへの招待と、グッズの詰め合わせのみ!という点です。
コアなファンで支えられるニコニコだからこその、独自の盛り上がり方程式に沿った募集形式と言えるのかもしれませんね。 

富士通長野工場の50周年記念ロゴのクラウドワークスでのコンペ募集ページ

参考:クラウドワークス https://crowdworks.jp

fujitsu

こちらは2015年に実際にクラウドワークスにて行われ、130以上の作品が集まった50周年記念ロゴのコンペの応募作品の一部です。契約金は6万円弱。ロゴデザインの費用としては格安ですが、企業側の満足のゆく周年記念ロゴが完成したようです。

周年記念のロゴデザインには企画の意図が反映されている

では、ここで改めて様々なパターンがある周年記念ロゴについて説明したいと思います。
周年記念ロゴのデザインは、大きく分けて2つのパターンがあります。

  1. そもそものコーポレートロゴやブランドロゴと並列して使う「00周年」タイプ
  2. コーポレートロゴやブランドロゴ自体を周年記念スペシャルにするタイプ

そもそものカンパニーロゴやブランドロゴと並列して使うタイプ

100周年で上記に取り挙げた例はすべて、そもそものコーポレートロゴやブランドロゴと並列して使うタイプです。
企業としてのメッセージやコンセプトを反映したデザインにする場合もありますし、単に既存のフォントで「00周年(記念)」と文字だけで表現し、ロゴに意味を持たせないタイプもあります。このタイプは基本的にコーポレートロゴやブランドロゴと並列して使用するため、必ずしも単体で特別なコンセプトを持つ必要はないのです。

例えば、2017年に15周年を迎える楽天ブックスでは、15周年記念のロゴが掲げられ、キャンペーン企画も展開されていますが、ロゴデザイン自体はいたってシンプルです。

楽天ブックス通常ロゴと15周年記念ロゴ添付パターン 

参考:楽天ブックス http://books.rakuten.co.jp/                  

rakuten100

コーポレートロゴやブランドロゴ自体を周年記念スペシャルにするタイプ

2017年に90周年を迎える化粧品メーカーの老舗ウテナは、90周年記念ロゴを作成、1月に発表しています。ウテナは花のがくを意味する言葉で、オリジナルのコーポレートロゴ(左)は花をデザイン化した図案です。90周年記念のロゴ(右)は「9」を一輪の花に見立てたデザインとなっています。

ウテナ通常ロゴと90周年記念ロゴ

参考:ウテナ http://www.utena.co.jp/

utena2017

GoogleのDoodleサイト

https://www.google.com/doodles

また、スペシャルロゴといえば、全世界の人が常に注目しているGoogleです。自社の周年記念はもとより、世界中の文化や偉人の生誕日などを記念して制作・発表されるスペシャルロゴDoodleは、ロゴデザインを一つの文化にまで高めたと言っても過言ではないでしょう。
また、Googleの場合は、デザインが斬新であるだけでなく、アニメーションを駆使したストーリーになっていたり、ゲームになっていたりと、サイト上でのロゴデザインの在り方自体に常に新しい風を吹き込んでいます。

google-logo

まとめ

いかがでしたでしょうか。
周年記念企画におけるロゴデザインは、極めて重要な役割を担っていることをご理解いただけたかと思います。
公募をかける、コンペで募集する、社内外のデザイナーに発注する、と方法も色々ありますので、それぞれの目的、企画にあった方法で素敵な周年記念ロゴを作成してみてください。
社内デザイナーや、付き合いの長いデザイン会社と一緒に、節目ごとにつながりのある周年記念ロゴを制作していくのもよいかもしれません。

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