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長く続くに企業のロゴには共通点がある!?長寿企業4社のコーポレートロゴを分析

ロゴ

ロゴを作るということは、発注側も制作側も、作ったロゴが長く愛され、使い続けることを望んでいます。しかし、日々新しい企業やサービスが生まれては消えていくものも多く、そのサイクルもスピードが早くなっているような印象です。

そこで、今回は長く経営が続いて「長寿企業」のロゴを、企業の歴史とともに紐解いていきたいと思います。長く存続していく企業にはロゴにも何かしらの特徴があるかもしれません!

長寿企業4社のロゴを分析

三菱グループのコーポレート・ロゴ [創業140年余り]

三菱のコーポレートロゴ

銀行、自動車、電化製品と生活の中でも目にすることが多い三菱のロゴマークは「スリーダイヤ」と呼ばれます。日本の企業ロゴの中でも知らない人はいないのではないか、と思う有名なロゴマークです。

そんなスリーダイヤの由来は、創業の土佐藩が大阪で経営していた「九十九商会」が船旗号として採用した三角菱のマークが現在のスリーダイヤ・マークの原型になっていなっているということです。これは創業者、岩崎弥太郎の岩崎家の家紋「三階菱」と土佐山内家の家紋「三ツ柏」に由来すると言われており、後に社名を三菱と定める機縁ともなりました。

スリーダイヤは創業140年余の歴史を持つ三菱の信用のシンボルとしても機能しており、このマークを見ることで顧客は安心感を感じ、三菱各社はこのマークが付けられる製品・サービスを提供するということで士気も高まるという、企業ロゴの理想的な形と言えるかもしれません。

このような知識を知ってから三菱マークを見ると、日本の歴史をそのものを感じるような気持ちになるまさに長寿企業のロゴマークです。

<参考サイト>
三菱マークについて https://www.mitsubishi.com/j/group/mark.html

HONDA のコーポレート・ロゴ[本田技研工業 創業69年]

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日本を代表する輸送機器、機械工業メーカーであり、二輪車では、販売台数、売上規模ともに世界首位であるHONDAのロゴマークです。

まず企業名である「HONDA」は、経営者・技術者として著名な創業者の本田宗一郎の姓から名づけられたもので、ロゴタイプはアルファベット大文字の「HONDA」を赤色でデザインしたものになっています。

そして乗用車用でおなじみのシンボルマークの「H」も、もちろん本田の頭文字の「H」なのですが、形は上に広がる末広がりを意味するものになっており、本田宗一郎から「最近のクルマはみんな同じに見えるから、ホンダの4輪マークを作れ」という指令を受けた社内デザイナーが、創業者が楽しんでいたこともある三味線の箱の輪郭と「H」マークの縁(輪郭)をイメージさせ、四角を基調に丸みのある張りを付けて出来上がったと言われています。

企業名の頭文字をあしらったロゴマークは多くありますが、しっかりと創業者の思いと遊び心が込められたマークになっていることがわかります。

ちなみにオートバイ・スクーター用は「これから世界に羽ばたく!」という意味で、ギリシャ神話に登場する「勝利の女神ニケ」をモチーフにしたものだそうでその思い通り、世界首位のメーカーになっているところも素晴らしいですね!

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<参考サイト>
本田技研工業 http://bit.ly/1OF1oOG

ジャックスのコーポレート・ロゴ [創業61年]

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クレジットカードでおなじみの、1954年創業の信販・クレジットカード会社のロゴです。

こちらのロゴは昨年2014年の6月、創立60周年を迎えるにあたって38年ぶりにコーポレートロゴのリニューアルを行ったことで話題になりました。

新たなロゴは朝日広告社の提案によるもので、旧ロゴのイメージやキーカラーを資産として残しながら、先進性やスマートさを感じさせるデザインとしたそうです。一見すると変化していないようにも見えますが、並べるとカッティングやアウトラインが違い、キーカラーや基本の造形はそのままに、全体のラインを細くし、「C」と「S」の右上にカットラインを加えた。先進的なイメージやスピード感を加味しているとのことです。

このように浸透して長く親しまれて使われているロゴマークであっても、デザイン性の変化などに対応して細く変わっていったり、企業の周年のタイミングでリニューアルを行うなどして、より良いものに高められていることがわかる好例となっています。

<参考サイト>
創業60周年のジャックス、38年ぶりにコーポレートロゴを刷新 http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201407/longlife-anniversary/002687.php

ビューティーエクスペリエンスのコーポレート・ロゴ [創業40年]

05こちらも周年でのロゴリニューアルが話題となった長寿企業です。

1975年に「髪。より美しくより健やかに」を経営理念に、美容室向けヘアケア製品からスタートしたモルトベーネは創業40周年を迎えた今年、ビューティーエクスペリエンスと社名を新たに再スタート。ロゴやミッションステートメントも一新され、そのクリエイティブディレクターを佐藤可士和氏が務めたこともあり、大きな話題となったわけです。

新しいネーミングは、「新しい美の体験」というミッションをそのまま英訳した「ビューティーエクスペリエンス」を採用し、ロゴマークは、今後のグローバルな展開も見据えて、漢字の”美”という文字をモチーフにしており、ブランドカラーには品の良い「紫」が使用されています。

ロゴだけでなく、クリエイターの視点から社名や企業として今後どのような役割を果たし経営していかないといけないかまでも作っていくということで、大きな意味でのブランディングの重要性を感じることができます。

<参考サイト>

佐藤可士和が”美”をブランディングする新プロジェクト – ロゴデザイン一新、中田ヤスタカの曲を採用 http://news.mynavi.jp/articles/2015/06/04/be/

まとめ

4社の長寿企業のロゴを見てきましたが、いかがだったでしょうか?

長寿企業のロゴはどれもしっかりとしたコンセプトや由来があり、歴史を感じながらも古びることがなく、場合によって時代に応じたアップデートをされて使われていっていることがわかってもらえたのではないでしょうか。

手軽にロゴが作れるサービスも増えていますが、とりあえずロゴを作るということと、長く愛されて使われ続けるロゴを作ることとのちがいも感じ取っていただけたと思います!

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