ロゴと一口に言っても世の中にはさまざまな種類のロゴがあり、その作りや仕組みはそれぞれ違っています。
どのようなロゴを作成するかは打ち合わせを行い、発注側のロゴを制作するに至った経緯、ロゴに込めたい想い、完成ロゴのイメージなどを制作側がヒアリングして形にしていくわけですが、この時に発注サイドもロゴデザインについての基礎知識がないと、なかなかイメージしていることを伝えることができなかったり、できあがったものも何かしっくりこず、何度も修正を入れることになりがちです。
そこで今回は、ロゴはデザイン的にどのようにして成り立っているのかをご紹介します。
デザイナー用のスライドではありますが、発注側が見ても非常に参考になる「初心者向けデザイン講座」 -東洋美術学校(第二回目:ロゴ編)」に沿ってご説明していきます。
ロゴとは「C.I」である
まずは、企業におけるおけるロゴとは何かを一言で言い表すと、
ということができるでしょう。
C.I(コーポレートアイデンティティ)とは、
企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ。
です。
つまり企業そのもののイメージをヴィジュアル化し、社会的にこのロゴを見ればこの企業だ!と連想できるようなロゴを作成する必要があるということです。
「C.I」の中でもロゴ作成で重要な領域は「V.I」である
さきほど紹介した「C.I」は、実は3つの要素で構成されています。
M.I(マインド・アイデンティティ)は企業の理念や精神、B.I(ビヘイビア・アイデンティティ)は企業の行動や態度を表しています。
そして、V.I(ビジュアル・アイデンティティ)は企業の視覚的なシンボルを表しており、この部分が企業におけるデザイン表現では1番重要な領域であり、企業のロゴデザインを行うということは、その企業のV.I、ビジュアル的なアイデンティティをどのように構築していくのか、ということと同義になります。
しかし、この時に忘れてはならないのが、C.IはV.Iだけでなく、M.I、B.Iも合わさった3つで構成されているということです。つまりロゴデザインを行う時には、企業の理念や精神、行動や態度を落とし込んだビジュアルを作成することを意識し、発注側は自分たちの企業のことを制作サイドにしっかりと伝え、制作側はそれを理解し、昇華させてロゴを作成しなければならないということです。
ロゴの構成を理解する
冒頭で、ロゴデザインと言ってもさまざまな種類のものがあると書きましたが、
- テキストだけのもの
- マークだけのもの
- どちらも入っているもの
など、デザイン的な構成を見てもいろいろな種類のものがあります。そして、これらロゴを構成する要素にはちゃんとした名称がついています。
シンボルマークはアルファベットや絵柄をモチーフにデザインされたマークで、ロゴタイプは企業名やブランド名を象徴する文字列、ステートメントはスローガンやアピールポイントをまとめた文字列です。
ロゴは主に、この3つの要素で成り立っています。
ロゴを制作する場合には、シンボルマークのみを作りたいということもあれば、ロゴタイプのみを既成フォント作った打ち文字のものからもっとオリジナリティのあるものに変えたいということもありますし、ステートメントのあるものとないもの、どちらも納品して欲しいなど、さまざまな要望があることが多くあります。
その際に、これらの名称を覚えて理解しておくだけでも、発注側と制作側のやり取りがスムーズになるはずです。
まとめ
ロゴというものは企業においてどのようなものなのか、そしてロゴ自体はどのような構成でできているかをご理解いただけたでしょうか。
企業そのものを象徴しているロゴを作成するには、改めて自分たちの企業そのものがどのような会社なのかを考えることも重要です。そして、それを受発注側の双方で理解したうえでロゴ作成を行えば、お互いに納得のいくロゴができるはずです。
そのためにも、制作側の企業を学ぶ姿勢、発注側のロゴデザインについて理解することというのも、非常に重要になるわけです。
ロゴは企業が長く使っていくことになるものです。ぜひ、丸投げをして適当なロゴが仕上がってしまい、思い入れのないロゴになってしまわないように、今回紹介したようなことを意識して、長く愛されるロゴが1つでも多く生まれるようにしましょう!