企業やブランド、サービスを象徴するロゴデザインの重要性はこれまでのコラムでも書いてきましたが、そうした企業ロゴは起業時に作って飾っておくだけではもったいないものです。
ロゴデザインを経てロゴが完成したのち、そのロゴは企業とともに成長していくものです。そうした成長の過程や節目で活用したいのが「周年ロゴ」や「キャンペーンロゴ」です。
ロゴは、1企業が1種類のロゴを制作して終わりとは限りません。今回はそんなロゴをバリエーション化させる事例の紹介や、そのメリットについてご説明します。
企業やサービスが節目の年の際につくられる周年ロゴ
企業もサービスもスタートさせたからには、長く続いて成長し続けるに越したことはありません。そして、そんな成長の過程の節目の年をお祝いしたり、関連するイベントなどを開催する際に使用されるのが周年ロゴです。
そんな周年ロゴを制作する際のポイントは、大きく分けてこの3つです。
- 周年テーマとのリンク
- 企業ロゴとの親和性
- ロゴとしての完成度
1の 「周年テーマとのリンク」は、◯周年という節目の際にはそのタイミングで掲げた企業のテーマがあるものです。そのテーマを反映した内容になっているか?がロゴデザインのポイントになります。
2の「企業ロゴとの親和性」は、周年ロゴは企業ロゴとセットで使われたりデザインされることが一般的です。その企業ロゴと組み合わせた時の親和性が高いものにしなければいけません。
3の「ロゴとしての完成度」は1や2のことを意識しつつ、新たなロゴとしてインパクトがあり、クオリティの高いものを制作しなければならないといけないということです。
これらが盛り込まれた周年ロゴの実際の事例を見ていきましょう。
■JTB100周年シンボルマーク、ロゴマーク
ジェイティービー100周年には、シンボルマークとロゴマークの2つがつくられています。
シンボルマークは、ジェイティービーのシンボルカラーである赤とグレーを用い、「次の100年」に向けての新たなスタートであること、次なる発展のステージに突き進む意志を「New Departure」の言葉と、「コンパス」のモチーフとして表現しています。
そして、100周年記念事業や商品につけるロゴマークとして、お客様への感謝をイメージしたプレゼントボックス型のものも制作されており、100周年を象徴するマークを用途によって使い分けています。
■TOKYO SMART DRIVER5周年ロゴ
2012年8月9日に5周年を迎えた「東京スマートドライバー」プロジェクトでも、その際に周年ロゴが制作されています。
通常のロゴを元にチェッカーフラッグのようなデザインにし、「5th Anniversary」と入ったデザインになっています。通常ロゴとの親和性が高く見ている側もすぐに「東京スマートドライバー」が5周年に入ったことがわかりやすいロゴになっています。
キャンペーンを訴求するために大胆にデザインされたロゴ
続いてキャンペーンロゴについて見ていきましょう。周年ロゴがオリジナルのロゴを意識して作られていることにたいして、キャンペーンロゴはそのキャンペーンのタイミングに特化して使われるものなので、インパクトを重視して大胆にデザインされたものが目立ちます。
キャンペーンロゴデザインのポイントを挙げると、
- キャンペーンテーマとのリンク
- インパクトや訴求力
- ロゴとしての完成度
ということになります。
1の「キャンペーンテーマとのリンク」は最も重要です。そのキャンペーンのためだけに作られるロゴなので、企業イメージなどは踏襲しつつも、キャンペーンの色をしっかりと打ち出していかなければいけません。
2の「インパクトや訴求力」もキャンペーンというその時期に最大限の効果を得るために、印象に残るロゴでないといけないということです。
3の「ロゴとしての完成度」はそれらをクリアした上で、かつロゴとしての完成度が高いものでなければいけません。
■ANA 冬の旅行キャンペーンロゴ
2013年に実施されたANA冬の旅行キャンペーンのためのロゴです。
「北海道・九州・沖縄・四国の4方面で充実したバスコースをご用意!この冬はぜひ、ANAで旅にでかけてみませんか?」というコンセプトで、それぞれの場所を象徴するカラーとアイコンでロゴが作られています。
このようにキャンペーンに合わせセットでバリエーションをもたせたロゴをデザインするのも、効果的にキャンペーンを訴求できる方法といえます。
■SoftBankバリバリバンバンキャンペーンロゴ
ソフトバンクモバイルが実施した他社からの乗り換えキャンペーンのためのロゴです。
ソフトバンクのCMでもおなじみのお父さんの犬をあしらって、電波のマークを元に角張ったフォントで「バリバリ ツナガル バンバン ノリカエ」とデザインされています。
ロゴのカラーをコーポレートロゴと同じく、黒とグレーに統一している点もポイントで、しっかりとトンマナを合わせてデザインされていることがわかります。
まとめ
皆さんが目にしているロゴの中には、通常のロゴやコーポレートロゴだけでなく、周年記念のロゴやキャンペーンのロゴも多く踏まれていることがおわかりいただけたでしょうか?
これらのロゴのバリエーション展開も、元になるブランディングや通常時の企業ロゴをしっかりとコンセプトを立てて作っておけば行いやすいものです。まずは良い企業ロゴを作り、そこから企業やサービスの成長とともに、このようなバリエーションロゴをデザインして活用していきましょう!