このコラムでは「企業ロゴを作る4つのメリットとブランディング効果」、「発注側こそ知っておきたい!納得いくロゴを作るためのロゴの基礎知識」のように、ロゴを作成する必要性やロゴの構成についてご紹介してきました。
これらのことはロゴを発注すれば、作業は制作側が行うのだから、発注者は知らなくても良いと思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
今回はそのようなことも交えながら、ロゴ作成を発注して、想像以上の素晴らしいロゴを作成するための発注ポイントをご紹介します。
自分たちのことをしっかりと伝えるロゴ作り
ロゴ制作の案件では、ロゴ化する企業名やサービス名以外の情報があまりない場合があります。
確かにそのネーミングをロゴ化してマークシンボルを添えれば、ロゴ自体はできあがりますが、それではデザイナーが単にバランス良く見映えの良いロゴを作成したというだけで、そのロゴが発注側の企業やサービスに適したものかどうかの判断ができません。
ロゴはそれ自体が企業やブランドのシンボルとして成り立たなければいけないものですから、ロゴにする名称だけをもらえれば作れるというものではありません。そのロゴを作成するに至った経緯やロゴに込めたい思い、企業やブランドのコンセプトや理念を伝えていただき、それらを反映してビジュアル化するのがデザイナーの仕事になります。
しっかりとあなたの会社やサービスの話をしていただくことから、ロゴ作成はスタートしていきます。
ロゴのイメージがある場合は具体的に伝える
このような雰囲気のロゴを作成して欲しい、というイメージがすでにある場合はそれをできる限り明確に伝えましょう。
もし、既存のロゴでこういう感じのロゴにしたいというものがある場合は、そのビジュアルを伝えるのでもいいですし、特にそういうものがなければ手描きのスケッチで伝えるというのもよいかもしれません。この場合のスケッチというのは何もうまく描くことが目的ではないので、自分のイメージしているものはこんなものだということが伝えられるものであれば問題はありません。もちろん、単にその通りのロゴを作るというよりは、デザイナーがあなたのアイデアをブラッシュアップしたロゴを作成してくれるはずです。
しかし、参考になるロゴもなければ、手描きのスケッチを書くほどイメージが固まっているわけでもない場合は、言葉だけでも良いので希望するものを伝えておきましょう。伝え方の例としては、
- 色は単色なのか、カラフルなのか
- 構成はシンプルなのか、複雑なのか
- 雰囲気は気軽なものか、厳粛なものか
- 印象はリーズナブルなものか、高級なものか
- テイストは伝統的なものか、先進的なものか
- ターゲット的に女性的なものか、男性的なものか
このあたりを伝えていただくだけでも、制作側としてはぐっとロゴが作りやすくなります。このような発注側のイメージを元に、そのロゴを作成する業界や同業他社のロゴの研究もして、制作側はロゴを作っていきます。
ロゴには著作権があることを理解しましょう
参考になるロゴを提示していただくことは、先ほど書いたように助かるのですが、たまにあるのが、このロゴとほぼ同じロゴを作ってください、という案件です。
イメージするロゴがある場合は提示してください、ということと逆に思われてしまうかもしれませんが、ロゴにはもちろん著作権がありますので、あまりにも似ているロゴを作成して使用していると、後々問題になったりトラブルが起きてしまう可能性もあります。
ですから参考になるロゴの提示というのは、あくまでテイストや雰囲気の参考にするだけであって、まったく同じようなロゴを作成するわけではありませんし、そのようなロゴを作ってしまっては著作権を侵害してしまうこともある、ということを理解しておきましょう。
企業ロゴは長く使うものなので納得のいくものを!
ロゴ作成をしていて、おそらく1発目のデザインでOKが出て、これを納品してください!ということはあまりないものです。企業やブランドの顔を作っているわけですから、提出したロゴに何度か修正を繰り返し、クオリティが高まって完成に至るということは当然のプロセスです。
ロゴはすぐに変わったり、定期的に変更されるようなものではありません。社内でもそのロゴを見たお客さまにも愛され続けるロゴをつくるために、気になる点はちゃんと伝えて納得のいくものを納品してもらいましょう。
制作側としても、自分たちが作成したロゴが、長く使い続けられることが1番の喜びです。
まとめ
ロゴ作成をお願いする場合には、発注側にも協力していただかないと良いロゴは作れないことがわかっていただけたでしょうか。
餅は餅屋という言葉があるように、デザインに関することはプロのデザイナーに任せることが良いのはその通りなのですが、企業、ブランドの顔になるロゴの作成に関しては、プロにお任せ!とお願いする前に伝えるべき情報やイメージをしっかりと共有して作業を進めていくことが、お客さまの想像以上の素晴らしいロゴを生み出すことにつながるのです!